夏の想い出・海辺編
つばさちゃんとポール君は浜辺で一日遊び、そろそろ夏の陽も傾き始めました。
22cm 女児用の衣類はそこそこ潤沢で、いざとなればブライス用を流用できます。
ブライスはファンの年齢層が高いせいか、質の良い衣類が多いです。
問題は22cm 男児用の衣類です。
洋服はボタンの左右が違うので女児用のから流用がききません。
普段着からして少ないところにもってきて、水着ともなると市販品はほぼ絶望的です。
こちらはファンによる作品で、Doll Show にて水神商事さんから手に入れました。
つばさちゃんのストレッチ生地の水着は、にせものくんさんの作品です。
「つばさちゃん、あっちの岩のある方に行ってみない。引き潮になったから潮だまりが出来てるはずだよ」
「そうね。お魚やウニなんているかもしれないね」
個人的な想い出ですが、もう２０年程も夏の海なんて行ってはいませんが、海水浴客で溢れた砂浜より岩磯の方が好きでした。
なにしろカニやフナムシやフジツボなどの面白い生物に満ちあふれていましたし、潮だまりなどあろうものなら小さな水族館のように泳ぐ小魚や、場合によってはタコ、珍しいクラゲなどが見付かることもありました。
ムラサキウニが群生しているのを見たこともありますが、あいにくそのころはウニの味が分かる舌は持っていませんでした。
楽しいことばかりではなく、打ち上げられたウミガメの酷い状態になった屍体や、拾った奇麗な巻貝の中味が腐敗していたことなどにも出逢ったこともあり、微かな腐臭も海の想い出には付いて回ります。
覗き込んだほんの１ｍ程の水の底が一面に細長い海草に覆われ、それが触手の群生のように揺れていることに気付き、身の毛がよだった想い出は忘れられません。
「つかまえてごらんよ、あはははは」
「よおし、つばささんを舐めるなよぉ！」
浜辺のバカップルというシーンを一度やってみたかったです。
うちの定番のほたるちゃんと貴更とでは、どうもノリが合わないのですが、うちでは一番健全っぽいカップルが出来ましたので、ようやく実現することが出来ました。
（中学生女子と小学生男子の組み合せが健全かどうかは良く分かりませんが）
日がだいぶ傾き吹く風も肌に涼しくなってきました。
「それじゃ、最後の一泳ぎしよ。あそこの湾みたいになっているところが波も穏やかになってるから横切ってみようよ」
「よおし、今度は負けないからね」
つばさちゃんの声に、ポール君は足の筋を伸ばし始めて気合いをいれます。
岩磯に面した波の穏やかな海面の下はちょっとした深みになっていました。
小魚が群れをなして静かに泳ぎ、岩にはイソギンチャクが花を開いています。
海面から斜めに差し込む陽光に浮き上がる思い掛けない海中の様子に、二人は競争も忘れて周りを見回します。
本当は海では水中メガネをかけないと目には良くないのですが、お見逃しを。
夕焼けに波打ち際を帰ってゆく二人です。
この画面を作りたくて季節遅れの「夏の想い出」をやったようなものです。
ところで、今回つばさちゃんが羽織っていたパーカーですが、本当はこの画集に載っているような薄いナイロン地の軽そうな着心地のものを着せてあげたかったです。
さんざん探し回ったのですがショプでもイベントでも見付からず、やむなくボークスで見つけた格好が似通ったパーカーを着てもらったのですが、やや重い感じになってしまったことが心残りです。
このイラストは、たかみちさんの最初の画集「TAKAMICHI ART WORKS」（ムービック刊 2002年11月30日）に収録されているもので、仲良しの少女２人が海辺に遊びに行って元気に遊び回る姿を描いた爽やかな連作です。
今回の「夏の想い出」も思い切りその発想が影響されています。
番外：
今は活発な中学生女子のつばさちゃんですが、レディーの年頃になったらどうなるのか妄想してみました。
髪を水気を含ませたブラシできちっと撫で付け、大人らしく成長したボディーに換え、シックなドレスを着せてみました。
現在から１０年後くらいでしょうか。
お付合いのお相手はやはりポール君ですが、青年ボディーに乗せると頭が小さ過ぎるので、画像合成で頭だけ少し大きめに拡大しています。
つばさちゃんが持っているグラスの中の赤ワインをレーザーポインターで狙って、肉眼ではルビーのように光らせてみたのですが、デジカメの光電素子ではその輝きを捉え切ることが出来なかったのが残念です。
胸元が刺繍のメッシュで背中の開いたこのストレッチ生地のドレスは、水着と同じ「にせものくん」さんの作品です。
さらに妄想が加速して乙女チック全開のままレッドゾーン突入！ なドレスを着てもらいました。
「こいつと結婚したら 毎日 楽しいだろうな」（真田広章くん＠それでも町は廻っている 第４巻 石黒正数さん／少年画報社刊）
その全身像です。
乙女チックぶちこわしです。
て言うか、ジンガロ！？
つばさちゃんはポール君と幸せになって欲しいのですが、そうそうストレートに仲良くなっても私が面白くありません。（鬼？）
二人の間にはたいへんな障害があることになっています。
ポール君の実姉でウラニア学園高等部２年生の、生徒会長で弓道部部長のミレイヌさんです。
知能も運動神経も優秀で、生徒からも教師からの人望も高いです。
まずいことに・・・弟を溺愛しています。
ミレイヌさんとポール君はEvening Calm さんの琥珀さんによるカスタム・ヘッド作品で、同時に手に入れました。
その時から、この二人は姉弟扱いしていました。
ミレイヌ、ポール姉弟ということで、石森章太郎さんの作品ファンのかたは思い当たるかたもいるかもしれません。
さらにポール君のいるウラニア学園初等部のクラス内でも確執があったりするのですが・・・それらはいずれまた後日のお話といたします。
檸檬児
'2008-10-19