三回忌
人形には魂が宿るものと聞きます。日乃さんはご友人に、自分の作った人形はこれから自分の見ることが出来ない世界を旅立った先でどんどん見ることが出来るとおっしゃっておいでだったそうです。
日乃さん自身も予想もしていなかった形で、その言葉は本当のことになってしまいました。
ならば、せめて私に出来ることは、この人形に私なりのいろいろの想い出を作ってあげることだけです。
いずれいつか私自身もいなくなるのですから。
7月11日の夜に家で灯の消えた階段を１階から２階に登ろうとした時に、２階の正面のガラス窓から一直線にこの月の光が鱗雲を通して、１階の床を照らしていました。
思わずデジカメを三脚に付けて撮った画僧が、今回の背景です。
檸檬児
'2006-8-19