メランコリーの季節
「その地下室で血まみれの女の人が、助けてあげた私にこうやって鎖を引きずりながら近づいてきたんです。こんな手つきで・・・こんな目つきで、こうやって手を」
「ほたるちゃん・・・怖い、怖いよっ！」
暑い季節がようやく過ぎ、自由に服が選べるようになりました。
ほたるちゃんもずっと我慢していたロングスカートを履いてみました。
新しい服の見せ合いっこしようと遊びにゆくと、貴更さんは着物姿で迎えてくれました。
ほたるちゃんが夏に見た怖い夢の話を聞いてもらっていたのですが、地下室のところまで話が進むと貴更さんは本気で怯え始めてしまいました。
ビーズ細工で覆われたガラス瓶に金属製の天使の羽がついた作品です。
ガラス瓶の中には色ビーズが入っていて、子供の頃に見た気がする夢のような懐かしさを掻き立ててくれました。
これも9月8日の「そうさく畑」の「満月カフェ」さんで入手しました。
ビーズに関しては、今度挑戦してみようと思っています。
秋葉原のこだわり系PC パーツショップのUser's Side が新しい店舗になったので行ってみたのですが、並んでいる電子パーツを見なければまるで喫茶店かケーキ屋でした。
奥の方のフロアがくつろぎコーナーになっていてガラスウィンドウの中に女性向きと銘打ったシャレた小型PC 筐体などが展示されています。木製フロントパネルの試作品などまでありました。
CEC 社の超高級ヘッドフォン専用アンプなども展示されていました。
（このあたりから普通のPC パーツショップばなれしてきています）
その同じウィンドウの中に日本ではまだ有名ではない高級腕時計が陳列されているのはいいとして、その隣に人間用のスワロフスキービーズ製の手作り指輪が¥6800 で陳列販売されていたのです。
客層を考えても、なぜここに？ と思ったのですが、そのビーズ作品の中に思わず目を惹いた一品がありました。
純黒のビーズだけのみで編まれた指輪の突出部にポツッ、ポツッと真紅のビーズが１粒ずつ載っているのです。
まがまがしい雰囲気に溢れながら、奇妙に気を惹きます。
（こんな指輪を身に付けた女性なんて、とてもコワくて近寄れません）
しかし、うちの螢子ちゃんが身に付けた姿をぜひ見たい！ という気が強烈に起こりました。
指輪は人形には無理なのでチョーカーを黒ビーズ２列で作り、赤ビーズをポイント的に配して作ってはどうだろうと思いました。
人形イベントでビーズ・アクセサリーの本を買った時には、こんな細かいの私には無理だと思いましたが、考え直してこの本を参考にして私も挑戦してみようと思っています。
真夏の有明ビッグサイトで行われた「ワンダーフェスティバル」で手に入れた「CHIC」さん制作の猫さんフィギュアです。
実は、造形イベントで見掛けるたびにこちらの新作の猫さんフィギュアを入手してしまっています。
見ているだけで、うにゃ〜、ごろごろ、となりたくなる、たいへんに愛らしい作風です。
アゾンのゴシックロリータ・ドレス「ブラックデイジー」です。
涼しい季節になると寒そうになるので、慌ただしくアップしました。
ノースリーブの黒ドレスの肩の上をケープ状に大きな襟が覆っている面白いデザインでした。アゾンのサイトでは真っ直ぐ立ったポーズのモデル写真なので、この襟が開いた姿でふわりと黒レースが舞うカッコ良さが分かりにくいと思います。
ただ、開いた指先を持つお人形の手に肘の腕まである長手袋を着せるのは難儀でした。
・・・さて、螢子ちゃんと貴更さんの季節遅れの怪談ごっこはまだ続いています。
「その女の人は、じっと私の顔を見ていたんですけれど、いきなり・・・わっ！」
「きゃぁあああっ！」
目が据わったまま語っていたほたるちゃんは、逃げ腰だった貴更さんにいきなり抱きつきました。
「えぇいっ！ そんな怖いこと言う口は、この口か、この口かぁっ！」
「ほへんなふぁい、ひはらは〜ん。ほへんなふぁ〜い」
ほたるちゃんに抱きつかれて悲鳴を上げてしまった貴更さんですが、すぐ引っ繰返して笑いながら押さえ込んでしまいました。
憑きものが落ちたように、必死に貴更さんに詫びるほたるちゃんです。
「ばかね、そんなに怖かったなんて。どんなことだって、あたしが必ずほたるちゃんを守るって約束したじゃない」
「はぃ。夢を見ている最中は怖くも何ともなかったんですけれど、目が覚めて思い出したら怖くて怖くて。だって、その女の人の顔が・・・」
「忘れちゃいなさい。ただの夢なんだから」
「本当にごめんなさい・・・あの、さっき貴更さんに抱き付いたのも、急に怖くてたまらなくなってしまって」
「ばかね」
一緒に横になったまま笑いかけ、静かにほたるちゃんの背中を撫でる貴更さんでした。
同人サークル「瀬」
檸檬児
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'2002-9-11