墓碑銘
今回の画像の主役は手前の秘書螢子さんではなくてバックの樹の方です。
2001 年５月にあったメイドさん同人誌オンリー即売会で発表した新作『晴れた日にはメイドさんとお茶を 前編』の為の画像を揃える為に、当時の私は大わらわでした。
なにしろ３月末の時点では、登場人物の爺さんの髪と髭の植毛が完成していなかったという有り様でした。
人形の準備が出来、背景の風景画像を揃えるため、もう時間がない４月の末頃にデジカメを持って自分が育った横浜磯子区の町を駆け廻り、通った幼稚園の寺の庭、同じく通った小学校の金網、近所の熊野神社と使えそうな写真を撮りまくりました。
その中の１枚が分譲地から町へ降りる山道の道端の崖に生えていたこの樹です。
幼稚園に通っていた頃からこの樹はあり、あるのが当たり前とたいして意識したことすらありませんでした。この撮影の時に初めて、あのシーンに使える！ と意識した程度です。
この樹の生えていた隣が工事していたことは知っていましたし、そこの崖の一面を覆っていた竹林が伐採されたのを残念に思っていました。
（実は、この竹林も撮影してあり、吸血姫 美夕の人形劇に使うつもりでした）
ところが、今日(1/28)仕事帰りにこの山道を通ったら、この樹が根元からチェーンソーで分断されていて、いくつもの丸太に変わって土の上に積まれ、あたり一面に道路にまで白くおが屑が飛び散っていて、作業員が箒とチリトリで道路のおが屑を掃除していました。
樹のあったところには意外な程に大きな白い切り株があり、その上にチェーンソーが横たえてありました。
これまで特に意識したこともなく、そこにあるのが当たり前だった樹はもう今日からはないのです。
エコロジーとかを言い出す気はありませんし私には資格もありませんが、この樹がここに生えていたことを、自分の作品に出演してもらった私としては画像だけでも残しておかなければならない気になりました。
即売会で発表した作品中でのこのシーンは240X320 というサイズに縮小されさらにトリミングされていましたが、元々の編集時のサイズは1024X1280 です。それでは大きすぎるので512X640 に縮小して表示いたしました。
同人サークル「瀬」
檸檬児
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'2002-1-29