西の地平 東の永遠
大和朝廷の王の末娘のキサラは男勝りで武芸に優れ、軍団の中では実兄のオグナ以外には敵うものはいなかった。
大和の王は軍団内での人望にも優れたオグナとキサラを恐れ、二人を中央から遠ざけ各地の豪族の平定へと派遣させていた。
嚀猛なキサラは「鬼姫」と呼ばれ、九州では単身踊子に身をやつして潜入し、族長クマソタケルを倒し、贈られたその名を敬愛する兄のオグナに捧げた。
熊襲から大和へと戻ったばかりで疲れも癒えないキサラに、大和の王から追い立てるように兄と共に東の果ての武蔵の地の平定が命じられた。
武蔵の国は姫巫女ホタルのもと他国の侵入を拒み続けていた。
キサラが海路で先行して強大な巫術を持つホタルを亡き者とし、その混乱に乗じて陸路で追いついたヤマトタケルと改名した兄に率いられた騎馬軍団が平定する作戦であった。
黒潮に乗り小舟で日本列島を北上するキサラ、それを待ち受けるホタル。
鬼姫と姫巫女との出会いは目前に迫っていた。
同人サークル「瀬」
檸檬児
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'2001-9-24
