5000ヒット記念バカ企画「闇螢 参上！」
どこかの国のいつかの時代、満開の城下の桜に誘われて、貴更姫はおしのびで笛を片手に町へ遊びに行きました。
満開の桜の川べりで笛を吹くのが貴更姫の楽しみです。
買い食いの好きな貴更姫のおしのびにお供するのは侍女のほたるです。
ほたるは代々のお毒味役である忌部の者であり、姫の町遊びに手を焼いた殿様が、姫のお気に入りのほたるを目付け役として同行させることでしぶしぶ外出を許したといういきさつがあったのです。
本来ならば伊賀か甲賀組の屈強な者がつけられるところですが、気の強い姫は反撥し、ようやく妥協した末の対応でした。
お気に入りの南蛮茶屋「江洲淮瑠」で春限定の苺菓子で二人はお茶を楽しみます。
波斯風炒豆茶は香りが高いものの、これを飲むのは初めてのほたるには少し苦かったようです。姫は笑って松前藩から来たという新しい女給さんに砂糖と酥とを頼みます。
この娘は近くの神保町に住む親族を蝦夷の地から訪ねてきたところ既に一家離散していたということで、この店で女給をしながら妹さんを探しているのだそうです。
お茶のあと、万世橋のたもとまで足を伸ばし貴更姫は笛を吹きます。
おそばに侍るほたるはもちろんのこと、神田川に泳ぐ大きな鯉や川面に浮かぶユリカモメも聴き惚れているかのようでした。
その時突然バラバラと飛び出し姫を取り囲む一団の怪しい男達！
「まあ！ わたくしの笛が耳障りだったのかしら。それともまさか噂に聞く秋ツ原に巣くう徹夜組！？」
「貴更様、何をのどかなことを。おそらく家老側の手の者かと」
音もなく姫の前に身を移し男達の前に立つほたる。
「姫！ 恨みはないがお命頂戴つかまつる」
スラリと一斉に白刃を抜き放つ男達。
その刹那、ほたるは侍女の着物の襟をつかんで瞬時に脱ぎ捨てました。その下から現れたのは黒装束に身を包んだくノ一姿。
「忌の闇螢 参上！」
古代から朝廷に仕え、分家が将軍家に仕える忌部。その裏の顔である暗殺部隊、この中で生まれた鬼っ子がほたるでした。
歴代のお毒味役としての血と幼少時からの毒味の訓練との複合された結果なのか、その血、汗、唾液の全てが毒という呪われた娘、それがほたるだったのです。
そんなほたるを貴更姫は幼い頃からずっと分け隔てなく可愛がってきました。
「姫様に手を出す者は、わたしが許さぬ！」
「ほたるっ！」
続・・・かない（笑）
ママチャップトイさんの「忍者装束」のデキがたいへんによいので、螢子ちゃんに着せてみたらとても似合いました。
ただＧＩジョウ・サイズでしたので着付けには多少工夫がいりました。袴は別の黒のホットパンツです。
「忌の闇螢」とは、私が大好きだったあるセーラームーン・サークルさんが創造したキャラクターです。大変残念なことに2000年冬のコミケットで活動休止宣言をされてしまったので、登場したばかりのこのキャラクターのその後の活躍を見ることが出来なくなってしまいました。
楽しみにしていたのに、とても残念です。
何らかのご理由があって活動休止をされたと考えますので、サークル名やライター名についてはここではひかえさせていただきます。
勝手にキャラの名前を使ってしまい、申し訳ありませんでした。
・・・それにしても、今回の撮影に使った小物類のほとんどがお店ではなく、お人形イベントで手に入れたものばかりというのは何だかなあ。（苦笑）
同人サークル「瀬」
檸檬児
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'2001-5-10