湿った季節
梅雨のシーズンだったので螢子ちゃんにさっぱりとした風通しのよいドレスを着せてみました。
じめじめした季節なので湿り気のあるギャグをと思いましたら、ふと「紺野さんと遊ぼう」（安田弘之さん著）を思いだしました。（脈絡不明）
爽やかな生臭さともいうべき不思議な味わいの女学生ギャグ・マンガです。
私はこの紺野さんが大好きでした。
というわけで、さっそくこのマンガの淫靡で奇妙なノリをパクリまくってみようとあざとく考えました。
ほとんどサブタイトルが「ほたるちゃんと遊ぼう」というノリです。
じめじめした季節の真っ最中の、螢子ちゃんの湿っぽい一人遊びです。
ちょび髭を生やしてみた。
地上最強生物に憧れてみる。
（クマムシぬいぐるみはデザインフェスタで手に入れたAIZU 工房さんの作品です）
カエルまみれになってみた。
悪役少女のコスプレをしてみた。
（背景は元ネタの聖悠紀さんのマンガ「超人ロック」に出てくる超絶美少女「エレナ」の古いポスターです。OUT 誌の通販で購入しました）
夕暮れ時の雨上がりの川辺を歩いていると岸からとても大きな大山椒魚が現われて話しかけてきた。
半時ほど前に学校帰りの小学生達にいじめられていた蛙を助けて川に離してあげた。そのことを大山椒魚は話し始めた。
あの蛙は蛙の王様の息子で王子様だったので、王様は礼がしたく、ぜひ森の奥の沼にある蛙の王国に来て欲しいということだった。
どうやって行ったらいいのか分からないと迷ったけれど大山椒魚は自分の背中にまたがってくれれば連れてゆくと言う。
言われるままにその背に乗ると大山椒魚は岸辺を離れ身をくねらせて泳ぎ始め、川を遡ってゆく。とても早い。
町のはずれに森などなかったはずなのにそこには鬱蒼とした森が広がり、その中を通る川の周囲はどんどん暗くなる。河辺に密生した樹々の肌は湿りを帯びている。
やがて川はどんよりと濁った大きな沼に到り、水の流れは淀み、もやにかすむ沼の中央に水面から盛り上がった丘があるのがぼんやりと見えてきた。
大山椒魚はその丘に向かって泳いでゆく。
周りの水面からさまざまな蛙の啼き声が湧き上がるように聞こえてきた。
もやの中を啼き交わす蛙の声に「かわいそうに」、「なにもしらずに」と人間の言葉が交じって聞こえる。
どうやら騙されたらしい。
杉の木掘りの大山椒魚は、2007年5月26日の土曜に有明ビッグサイトで開催されていたデザイン・フェスティバルの工房西岡さんのスペースで手に入れたものです。
ニス仕上げの肌がぬめっといい感じです。ちゃんとしかるべきところに小さな目もあります。
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'07-6-3