ミストレス
丘を背にした大きな沼のほとりの森の中に古い洋館が建っています。
樹木の間に開けた敷地にひっそりと佇むお屋敷で、ほたるは一人で暮らしています。
今日もほたるは静かに目覚めました。お気に入りのドレスへ着替えて朝食を一人でとります。
食事の用意も後始末も皆ほたるは自分で済ませます。
若くしてお屋敷を継いだレディーには日々の見廻りも欠かせません。
しんとしたお屋敷はどこもピカピカに磨かれ、いつでも大勢の人が暮らせるようになっています。
だけど、暮らしているのはほたる一人だけです。
見廻りが終わると、軽く家事を済ませ、その後は書庫から気に入った本を探しては居間や書斎で読んで日を過ごします。書庫は信じられない程の蔵書に溢れ、読み尽くすことなどあり得ない程に思います。
一人暮らしのレディーほたるの元に時々活発な先輩の貴更が尋ねてきます。
貴更は女學生の頃の先輩でした。
そんな時はおしゃべりも楽しく、時の過ぎるのも忘れます。
激しい運動は苦手なほたるですが貴更にリードされる踊りは大好きです。
ロビーに置かれたニスの肌が飴色に光る蓄音機からのダンスやワルツの調べに乗り、二人は手を取り合って踊ります。
長い付き合いの貴更は、ほたるの身ごなしを全て身体で覚えているのです。
貴更が遊びに来た日は眠ったようなこのお屋敷も部屋全てに灯がともり賑わいます。
ほたるは目覚めます。
つっぷしていた書斎の机の上には読みかけていた本が開いたまま伏せられています。
貴更はもう帰ってしまったのだと。本当はこの世界には貴更という少女はいないのだと言うことを。
この屋敷にやがて戻ってくる人を、ほたるは一人っきりで待っていることを。
それらを果てしない黄昏の日々の微睡みからの目覚めと共に思い出します。
「シャルル坊っちゃま」
ほたるの呟きはしんとしたお屋敷の壁と天井に吸い込まれます。
『晴れた日にはメイドさんとお茶を』外伝から
アゾンでドレッシーなＡラインの服があったので我家のリナ様へのつもりで買って帰りました。
ふと、絶対に似合う訳がないはずだけど試しにと面白半分に螢子ちゃんに着せてみますと・・・認識不足でした。
目茶苦茶に似合います。見事なミストレス（女主人）に変貌しました。
豪華で派手な服なら貴更の独壇場ですが、この服では螢子ちゃんの芸域の広さをまた思い知らされました。
これだから女性は分からりません。
オビツの極微乳ボディーなので胸の膨らみはほとんどありませんが、鎖骨とのどの筋のエッジが見たいので朝焼けの光だけで撮りました。光量不足で画面が粗くなりましたが仕方がありません。
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檸檬児
'2003-1-27